【デジタル遺品】財産や遺族のプライバシーを含む遺品の取り扱い方

  • 遺品整理

ネットでの株式投資やブログやフェイスブックなどのSNSは、遺族や相続人が取り扱いに苦労する「デジタル遺品」になるかもしれません。

一般的な遺品は現物を確認できますし、処置方法も確立しているので相続や処分に困ることはありませんが、デジタル遺品はIDやパスワードがわからなければ内容を確認することすらできず、遺族による遺品整理は難航します。

財産をスムーズに相続できないばかりか、隠れ借金が膨らむこともあります。SNSの情報の消去も簡単ではありません。

一般的な預金や株式などの取り扱い

デジタル遺品の取り扱いは原則、一般的な遺品の取り扱い方法と同じです。そこでまず、亡くなった方の一般的な預金や株式の取り扱い方法を紹介します。

銀行の預金は、口座名義の方が亡くなると凍結され、家族でもおろすことができなくなります。銀行が口座を凍結するのは、亡くなった方の財産(預金)を守る義務があるからです。

凍結を解除して預金を引き出すには、相続人を確定させ、その相続人が銀行に手続きしなければなりません。

株式も同じです。株式の取引は証券会社が管理していて、株式の保有者が亡くなると口座は凍結されます。こちらも確定した相続人が手続きするまで、株式を売却して現金化することはできません。その間、株価が値上がりすることも値下がりすることもあります。

デジタル遺品が借金になって死後も増えるケースとは

それでは次に、デジタル遺品についてみていきましょう。

最近はインターネット上の操作だけで預金や株式を操作することができます。もし亡くなった方が誰にも告げずに銀行口座や証券会社口座を持っていて、ネットだけでお金の出し入れと株式売買をしていたら、遺族は残高を知るどころか口座の存在すら知らない状態になります。

これが典型的な「遺族が取り扱うことができないデジタル遺品」です。

ただ、亡くなった方が保有していた株式の会社が株主総会を開いたり配当金を出したりすると郵便物が届くので、遺族が後日、口座の存在を知ることはできます。銀行も不定期ではありますが口座名義人に何かしらの郵便物を送付します。

この段階で相続人が手続きをすれば、存在を知らなかった財産を相続することができます。

恐いのは、故人が信用取引をしていた場合で、株式投資やFX投資では手持ちの現金の3~25倍の取引ができるのです。

例えば生前に手持ち現金100万円で、最大1,000万円分の取引をしていたとします。口座の名義人が亡くなってもその連絡を受けなければ、証券会社は亡くなった方の指示とおりの投資を続けるので、最悪1,000万円の負のデジタル遺産が形成されるわけです。

一定期間がすぎると証券会社は清算を迫りますので、相続人が肩代わりすることになります。もし相続人が支払うことができない場合、相続の放棄など、法的手段を検討することになります。

家族や友人のプライバシーというデジタル遺産

家族や友人たちの写真をSNSにアップしていた人が亡くなり、遺族や友人がそのSNSのIDもパスワードも知らない場合、その写真はネット上に存在したままになります。

「亡くなった人のSNSに写真を掲載されたくない」と思ったら、どうしたらいいのでしょうか。

フェイスブックは、亡くなった家族のアカウントを削除する方法を示しています。フェイスブックに死亡診断書の写真を送ると、アカウントを削除してくれます。

死亡診断書が入手できない場合でも、故人から削除の委任を受けていればアカウントを削除できます。ただ、委任状や遺言状、新聞の死亡記事、葬式のしおりなどの「証拠」をフェイスブックに送る必要があります。なおかつ、それらの「証拠」がフェイスブックのアカウント情報と一致していなければなりませんので、この手続きは簡単には終わらないでしょう。

故人が別のSNSをやっていれば、別の削除ルールに従って手続きしなければなりません。

パソコンやスマホのなかのデジタル遺品

故人が撮影した写真や動画をパソコンやスマホのなかに保存していて、パスワードを設定していた場合、パスワードを知らない家族がそれらのデータを引き出すことはほぼ不可能です。

パソコンショップや携帯ショップは、パソコンやスマホを初期化して遺族が使うようにすることはできますが、なかのデータを救出することはできません。

パソコンやスマホのなかの、パソワードが設定されているデータを取り出すには、データ復旧業者に依頼する必要があります。

まとめ

デジタル遺品の処置をスムーズに進めるには、亡くなる前に、

・財産とデータの存在

・IDとパスワード

の2つを信頼できる人に教えておくことです。

また、パソコンやネットを多用している人の家族は、ネット財産やネット情報を聞いておいたほうがいいでしょう。

デジタル遺品は一般的な遺品とは比べ物にならないくらい遺品整理が困難になりますので「教えておく」ことと「聞いておく」ことはとても重要です。