遺品整理業者ごとの見積もり額が違うのはなんで?
遺品整理業者を上手に活用すると非常に便利です。親族が亡くなってすぐの場合は、遺品整理を行う気持ちが整っていなかったり、遠方にいるため整理するのは物理的に難しかったりするケースがあります。そのようなときに遺品整理業者に代行を依頼すると、迅速かつ、きれいに片づけてくれるでしょう。
しかし、利用するには費用がかかります。少しでも安くするために相見積もりを依頼すると「各業者で見積額がバラバラ」ということもありがちです。そこで、今回は「なぜ遺品整理業者の見積額は異なるのか」について紹介します。
見積額が違う理由1:遺品整理の作業内容が違うから
遺品整理の代行業務は大きく下記の3つに分けられます。
- 不用品と遺品を分ける分別作業
- 買取が可能な物や保管する物を大切にとっておくための梱包作業
- 廃棄物を処分場へ運搬するための収集作業
特に、1の分別作業には時間を要するため、作業内容に含まれていると費用が高くなる可能性があります。
「遺品整理をお願いしたい」と見積もりを依頼した場合に、どこまでの想定している作業内容によっては業者ごとに金額が異なるかもしれません。見積もりの作業内訳を確認するようにしましょう。
見積額が違う理由2:遺品整理業者ごとに経営スタイルが違うから
遺品整理業者の経営スタイルによっては、見積額に影響する費用の算出方法が異なります。「人件費」「運搬費」「不用品の処分費」の3つに分けて紹介していきます。
人件費
遺品整理を行う上では人件費が発生します。人件費の算出にあたっては「業者の内部事情」が大きく影響します。
業者の規模が大きければスケールメリットを活かして、多少人件費を抑えることも可能でしょう。
運搬費
梱包資材や運搬にかかる運搬費も各業者によって異なります。梱包資材などの消耗品は大量に仕入れるほど安くなる傾向にあります。
そのため、業者ごとの仕入れ事情によって見積費用も異なる傾向です。運搬費用に関しては、各業者の事務所と遺品整理場所までや、そこから処分場までの距離は業者によって異なります。距離が遠くなればなるほど、ガソリン代や人件費がかかるため見積価格も高くなるでしょう。
不用品の処分費
遺品整理に際して発生した不用品の処分方法でも費用は異なります。例えば「不用品をリサイクルするか」「廃棄物処理場へ運ぶか」などが挙げられます。
見積価格が違う理由3:遺品整理を行う現場の状況判断が違うから
見積価格が違う理由には、業者の内部事情以外にも「依頼主の状況を業者がどう判断するか」というものがあります。
整理する遺品の推定量
例えば、「遺品の多さでどれぐらいの処分費用を見積もるか」が違うのです。一般的には遺品の数が多ければ多いほど、分別作業や梱包作業は時間を要しますし、収集・運搬も費用がかかります。業者ごとによって「これぐらいの遺品数であればこの値段」という概算金額はありますが、この金額は各業者によって違うというのも覚えておきましょう。
遺品整理する現場の広さ
例えば、「1LDKは10万円」「2LDKなら15万円」といった具合です。部屋の大きさによって値段が変わるのは引っ越しの料金設定に似ているといえるでしょう。
遺品整理する現場の環境
業者の中には「作業環境」によっても見積額が変わるケースがあります。
例えば、遺品整理を行う住宅がマンションである場合、「エレベーターがあるかどうか」で見積額が変わるというケースです。エレベーターがないと遺品整理業者の従業員が手作業で荷物を運びだすことになるので、時間がかかったり作業量が増加したりします。そのため、業者によっては見積額を高くしてくる場合があるのです。
また、同じような理由として「道路幅が狭く、遺品整理を行う住宅の近くにトラックを止められない」というケースがあります。業者によっては運搬方法を工夫したり、小型のトラックを持っていたりして見積額を安くしてくれるケースもあるので、見積額が違ってくるというわけです。
見積額が安すぎる業者は要注意!
業者によって見積額が違う理由を大きく3つの視点から紹介いたしました。
しかし結局のところ、それらをどのように判断するかは業者次第だということです。「どこまで利益を追求するか」の考え方が業者ごとに異なるため、見積額が違うといえます。そのため、少しでも安く遺品整理業者を利用したい場合には、複数社に見積もりを依頼するとよいでしょう。地域ごとにいくつもの業者がありますので、自分の条件や相性を考えながら探してみてください。
ただし、注意しなければならないのは「見積もりが安すぎる業者」です。
悪徳業者は不用品を不法投棄するケースもある
見積額が安すぎる業者の中には「多くの遺品を勝手に不用品と判断して処分する」「不用品を不法投棄する」といったケースがあります。
つまり、分別や梱包の手間を省略して1件あたりの単価を安くすることや、不法投棄することで必要な処分費用を不当に安くするということです。本来必要な遺品まで処分されてしまったり、不法投棄によって迷惑をかけたりするような行為は気持ちの良いものではありません。トラブルが発生する恐れもあるでしょう。
トラブルが発生してしまうとかえって余計な費用がかかってしまい、結果的に高くつくことも考えられます。
見積額が安価すぎる業者は慎重に精査しましょう
見積もりを複数とった結果、とびぬけて安い業者があれば「何か裏があるかも」と考えて慎重に内容を精査するほうがよいでしょう。インターネットの口コミを参考にするのもひとつの方法です。
ただし、多くの遺品整理業者は善良で、うまく利用することで遺族の負担も軽くなります。見積額の内訳や違いをよく理解して、自分の希望に合った遺品整理業者を利用するようにしましょう。