遺品の相続ってどんな手続きですれば良い?

  • 遺産の相続

遺産であれば相続の手続きが必要であることは多くの人が熟知している問題ではありますが、遺品の場合はどうでしょうか?相続にはどのような手続きが必要なのか、そもそも手続きが必要なものなのか気になりますよね。

どんな遺品なら相続の手続きが必要になってくるのか、具体的な手続きの方法はどうなっているのかを見ていきましょう。相続放棄をする場合のポイントについても合わせて説明していきますので、遺品の相続について悩んでいる方はチェックしてみてください。

遺品相続の手続きが必要なケース

遺品の相続に法的な規定はない

故人の不動産や自動車、預金といった遺産とは違い、遺品は法的な相続手続きを済ませて相続しなければならないという決まりは特にありません。そのため、洋服や故人の思い出の品といった私物は特別な手続きは不要だと考えていいでしょう。

ただし例外はある

しかし、故人の私物として捉えられるものでも例外はあります。

遺品に貴金属類がある場合

金の延べ棒やゴールドのネックレス、ダイヤの指輪のような貴金属類を所有していた場合です。金やダイヤは売却時に価値が極端に下がってしまうようなものではありませんから、財産のひとつとして数えられます。

貴金属類ではなかったとしても、プレミアがつくような高級なものを所有していた場合には相続する人が誰になるのかについてよく相談したほうがいいでしょう。

少額であれば手続きが不要になる場合もある

ただ、少額のものであれば相続手続きまではしなくても、家族や親族間で相談して決めれば済む場合もあります。また、遺産相続が誰になるのかを明確に記した遺言書があり、そのなかに遺品のことが書かれている場合にも相続手続きは必要になってくると考えたほうがいいです。

 

遺品であれば、遺産のように家族のあいだで大きな相続問題に発展する可能性は低いですが、絶対に争うことにはならないとも言い切れません。特に、金銭的価値のあるものについては、相続する人が誰になるのかは明確にしておいたほうがいいのは間違いないです。故人が貴金属類を購入していた場合やコレクターの場合にはトラブルにならないように注意しておいたほうがいいでしょう。

遺品の相続手続きの方法は?

遺品の相続手続きの方法は下記の3つが挙げられるでしょう。

1.単純承認

財産や負債をすべて相続する方法です。

2.限定承認

相続で得た財産の限度で債務の負担をする方法です。

3.相続放棄

すべての財産の相続を放棄する方法です。

 

遺産の相続手続きと同様で、遺品の場合にもこれら3つの相続の手段があることは覚えておくといいでしょう。

遺品の相続手続きの流れ

故人が死亡した際に7日以内に死亡届を役所に提出したら、それから3カ月以内に相続人を確定するための手続きを進めます。

その前に、葬儀費用の領収書を整理したり、遺言書がないかどうかを確かめたりする必要があるので覚えておきましょう。年金や保険の請求手続きと債務状況の把握も忘れずにおこなっておくことを忘れないようにしてください。さらに、このときに価値のある高価な遺品はないかどうかについても確かめておくことが大切です。

それから、故人の死亡から4カ月以内に志望した本人の準確定申告をおこなうことになります。10カ月以内には遺産や債務の確定と評価が行われ、そこで初めて遺産分配の手続きが行われるという仕組みです。遺産を相続したら、相続税の申告と納付をしなければならないので覚えておくといいでしょう。相続税を支払い終えたら遺産の名義変更の手続きをして相続は完了となります。遺品の場合は、住宅や自動車のように名義人を変える必要があるわけではないですから間違えないように注意しましょう。

遺品の相続放棄をする場合のポイント

家族が亡くなって相続人になる可能性が高いものの、故人には遺産ではなく負債があるので相続したくないという場合もあるでしょう。そのようなときは、相続放棄をすることで負債を相続しなくて済むようになります。

相続放棄する場合は遺品整理をしない

しかし、このように相続放棄をしたい場合には、遺品整理に注意しなければなりません。遺品整理をすると相続放棄が認められないと法律で定められているためです。正確には、相続財産のすべてあるいは一部を処分した場合のことですが、遺品整理はそのひとつに当てはまります。つまり、相続を放棄したいのなら遺品整理はしてはいけないということです。

だからといって故人の持ち物を相続放棄できるまでそのまま放置しておくというのは難しい問題とも言えます。特に、故人が賃貸物件に住んでいた場合や住宅を手放したい場合にはすぐにでも遺品整理をすべきですから、現実的に不可能だと感じる方もいるでしょう。

明らかなゴミは処分して良い

どうすれば遺品整理をしても相続放棄ができるのかですが、まずは誰がみても明らかなゴミだけを処分するという方法をとるのが一般的です。資産的価値があるかもしれないものについては手をつけず、生ゴミや故障したものなど、はっきりとゴミだとわかるものだけを捨てるようにしましょう。

不安な場合は専門家に相談をしましょう

相続手続きが終わる前の段階でどうしても遺品整理したいという場合には、法律家に相談するのもひとつの手です。相続放棄に詳しい法律家であれば、的確なアドバイスをしてもらえます。