生前整理の「残しておくもの」リストの作成方法

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近頃、「生前整理」という言葉を聞くことが多くなった方もいらっしゃると思います。後々の事を考えるとそろそろしなくては、と思いつつも、整理する中で何を残して何を捨てるべきかを悩む方も多いと思います。

このページでは生前整理での「残しておくもの」を決めるための方法をご紹介します。

生前整理は何のため?

家族の負担軽減

生きている間、私たちは物に囲まれて生活しています。必要な物もあれば不要な物もあり、その判別は使用している本人にしかわからない場合もあります。物を大切にするあまり物をため込んでしまうと、死後には残した家族の負担となってしまうことも少なくありません。

重要な書類が見つからない、パスワードがかかっていてパソコンが開けない、処分して良いのか迷ってしまう、そもそも遠方のため何度も通うのが大変などの問題は実際に多く聞かれるトラブルです。このような事態を回避するためにも、生前整理をおすすめします。

生前整理は残した家族の負担を減らすだけでなく、自分自身が身軽になり快適に暮らす手助けにもなります。元気なうちから自分自身で作業ができればいいのですが、生前整理をするのが難しい場合もあるかと思います。

生前整理を勧める場合

生前整理を勧める場合、無理強いしてしまうとトラブルの元になりかねません。財産目当てと疑われたり、早く死ねと言っているのかと誤解してしまう事もあるようです。一緒に片付けを進めていくとよいでしょう。

デジタル遺産やオンライン遺産にも気を留めておきましょう

また、土地の権利書や遺言などの書類、貴金属、通帳などの他に、近年ではデジタル遺産、オンライン遺産などもあるので、個人情報やパスワードなどの扱いも気に留めておきましょう。これらの作業をする時に「残しておくものリスト」があると作業が楽になります。

「残しておくもの」リストの作成方法

リスト

では、具体的にどうやってリストを作っていくと良いのでしょうか。いきなりエンディングノートを広げてみても戸惑ってしまうかもしれません。

まずは思うままに書き出してみる

まずは頭の中を整理する必要があります。自分の居なくなった後のことを想像して、整理しておきたいことを思うままに書き出してみましょう。

しかし、いざ書き出してみると、日用品のことであったり、保険証券に関すること、預貯金やローンなどお金に関すること、パソコンの取扱やパスワードについて、ペットを飼っていればその扱いなど、やっておかなければならないことが山積みになるかもしれません。

書き出したものを項目毎に分ける

一度に決めようと思わず、項目毎に分けてじっくり考えましょう。日用品などは現在使っているものもあり判断が難しいかもしれません。保険証券などの扱いなどの決めやすい項目からだと比較的スムーズに決められるかと思います。リストアップが出来たらエンディングノートなどにまとめていくと良いでしょう。

「残しておくものリスト」は特に判断が難しいかもしれません。思いつくものをリストアップした後、分類をしていきましょう。今使っていたり必要なものであれば「いるもの」、捨てたり売ったりして処分できるものは「いらないもの」、「迷っているもの」は一定期間保管してみましょう。数ヶ月後に見直してみて、いるかいらないかを判断するとよいでしょう。

絶対に残しておきたいものは「保管するもの」に分類します。これらの作業を何度も繰り返すうちに「残しておきたいものリスト」が完成します。リストを作成してしまえば自分で片付けをするときも効率的にできますし、業者に頼むときに的確な指示を出せます。

一気に行う事が出来なくても段階的に進めていけば良いのです。死後の不要品処分を前もって指示しておけば、残された家族の負担も軽くなります。

リストの作成は現状の見つめ直しにもなる

これらの作業をすることは、現状を見つめ直すきっかけになります。自分で必要なものを厳選する事で自分自身と向き合うこともできます。身の回りの整理整頓をする事で気分がすっきりしますし、ものが減ることで転倒するなどのリスクを減らすこともできます。

「残しておくものリスト」があれば、残された家族が遺品を整理するときの判断基準にもなります。特に形見として誰かに渡して欲しいもの、思い入れのあるものの取扱などは残された家族には判断し辛いものです。何がどこにあるのかをリストにしてまとめて書き残しておくと、残された家族は家中の引き出しを開けて回るなどという時間の無駄も省けます。

生前整理はそれぞれのペースに合わせて

リストを作っても何から手をつけたら良いのか迷ってしまうという方もいるかもしれません。自分自身で片付けるのもいいですし、家族が近くに居るのであれば頼むことも出来るでしょう。家族と一緒に思い出を語り合いながらのんびりと片付けをしていくのも生前整理の良いところだと思います。

一方、高齢者の方や独り身の方には、大きな荷物の処分や不要品の運び出しなどが大きな負担となってしまうようです。そんなときは、生前整理の専門業者を利用する事もおすすめします。生活に必要なものは残しておき、普段使わないものや不要になったものを買い取ってもらうことが出来ます。「残しておくものリスト」を活用して、生前整理を少しずつ進めてみましょう。

生前整理をする事は自分の人生を振り返り、今を見つめ直す大切な作業だと思います。家族だけでなく自分自身の為にもなりますし、人生を見つめ直すことでこれからをより良く生きていくきっかけになると思います。リストは何度も作り直してもかまわないので、納得のいくまでじっくり考えてください。

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