元気な今こそ!自分にも家族にもうれしい生前整理のメリットとは
そもそも生前整理とは?
「生前整理」とは、いつか訪れる自らの「死」を考え、人生の終わりに向けた準備と最期まで自分らしく生きるための活動を行う「終活」の1つです。毎日の暮らしの中で、つい捨てられずにいるものや、後回しにしてしまっている手続きや作業があるという人は少なくありません。このような身の回りの整理を生きている間に自らの手で行っておくことを「生前整理」というのです。
いつかする生前整理は今のうちに
生前整理は生活に変化が生まれやすい定年する年代のころや「死」を意識しやすい高齢になってから考える人が多いといわれています。しかし、いつか行うつもりなら早い時期から生前整理を行っておく方が安心です。
「死」は、いつ自分の身に起こることなのか誰にも予測できません。残念ながら20代や30代といった若い年齢で亡くなるケースもあります。また、体力や気持ちに余裕がある年齢から始めておいた方が、ゆっくりと焦らずに終活を行うことができるようにもなるのです。このため、生前整理は40代や50代、早い人であれば20代や30代から始めても早すぎるということはない活動となっています。
自分にとっての生前整理のメリット
過去から未来へ目を向けられる
生前整理は身辺の物を整理することです。生活に使用している物、思い出の品など自分に関わるすべての物を1つ1つ整理していく中で、自らの人生をあらためて見直す良い機会を得ることができるようになります。身の回りの品々を見ていくことで、かつて夢見ていたことや、好きだったことなどを思い出すこともあるでしょう。
自分に関わりのあったあらゆる物とともに、より具体的に今までの人生を振り返りながら、これからの余生をどのように過ごして生きたいかを考えることができるようになるのです。そして、最期のその瞬間まで自分らしく生きていくための過ごし方や後悔のない人生を送るためのチャレンジに向けたポジティブで充実した生き方へと自身を導くことができるようになります。
身の回りの整理による効果が期待できる
また、身の回りの物を整理し、不要なものを処分すると部屋を片付けることができるという点はメリットです。断捨離をしてシンプルな生活環境を手に入れることで、身軽でスマートな余生を送ることができるようになるのです。
特に、元気なうちに断捨離をしておけば、高齢となり体の動きが不自由になった際にスッキリと片付いたケガのしにくい環境で過ごすことができるようにもなります。また、急な入院などをした際に家族に入院の準備や手続きなどを頼んだ場合でも、家の物が整理されていることによってスムーズに代行してもらうことができるようにもなるのです。
大切なものを残しておける
生前整理は「処分する」ことだけではなく、「残しておく」ための活動でもあります。残した家族に遺品整理を完全に託してしまうと、自分にとって本当に大切なものが処分されてしまうこともあるかもしれません。
さらに、他の人には見られたくないプライベートな物や残しておきたくないものを保管される可能性もあるものです。自分で事前に整理しておくことで、本当に大切に思っているものや、残しておいてほしいものだけを家族に形見として保存しておいてもらうことができるようになります。また、誰に何を渡したいかといったことも自分で決めておくことができるようにもなるのです。
家族にとってのメリット
生前整理を行っておくことは家族にとってもメリットが生じます。
遺族の身体的な負担軽減
通常の場合、自分が亡くなった後で遺族は家族を失った悲しみの中、通夜や告別式、法要など、次々とさまざまな準備に追われることとなります。そして、心身の疲労が重なる中で、遺品整理を行うようになるのです。
特に賃貸住宅でひとり暮らしをしている場合には、死後、早急に部屋の整理をすることが求められることもあるため、遺族にとっての負担は大きくなってしまいます。自身が元気なうちに、生活で不要となっている食器や本、服や趣味の物などを整理しておけば、残された家族が自分の死後に担うこととなる遺品整理の負担を軽減させることができるようになるという点も生前整理の大きなメリットです。
遺族の精神的な負担軽減
また、遺族にとって、大切な家族が残した品々はどれも思い出の物となります。このため、遺品整理をしようと思っても処分する決断がつきにくく、なかなか整理が進まなくなってしまう人も多い傾向です。自らで生きているうちに身辺の物を整理しておくことは、遺族が遺品整理をする際の精神的な負担を減らしてあげることができるというメリットもあります。
相続トラブルのリスク軽減
生前整理の対象となるのは物だけではありません。家や土地、預貯金といった所有する財産についても、事前に整理しておくと安心です。仲が良かった家族でも相続で争いが起こるといったケースは現実にあるものです。財産について生きているうちに遺言状などを作成し、しっかりと整理しておくことによって、死後に大切な家族の間でトラブルが生じることを防ぐことができたり、自身の思いを家族に残したりすることができるようになります。
さらに、生命保険証書や不動産の権利証といった重要な書類の場所について記載した目録などを作成しておけば、遺された家族が死後の手続きをする際に困らなくなるというメリットも生まれるのです。