【老前整理】安心できる老後の為のライフプランづくり

  • 生前整理

疲れてくたくたな時には、片付けをする気にもならないものですよね。

片付けや整理は、思うよりも気力や体力を使います。何をどこへどのように片付けるか、見映えや収納スペース、取り出しやすさも考えなければなりません。

だからこそ、やる気や時間のあるときに取り掛かる必要があります。

人生の様々な事柄の整理もまた、老齢となってからより、気力や体力の充実しているうちに手を付けるとよいものです。

それを「老前整理」といいます。

今回は老前整理の方法やいろいろなメリット、気をつけておきたいポイントについて解説します。

老前整理と生前整理、遺品整理の違い

老前整理について知るために、似た概念である生前整理や遺品整理と比較してみましょう。

(1)老前整理

まず、老前整理は、自分自身の老後のために行う身の回りの整理です。活気がある40~50代頃に行われるのが一般的であり、ライフプランニングの一種でもあります。

(2)生前整理

これに対して生前整理は、身の回りの整理という点では同じですが、亡くなった後で遺族を困らせないために行うものです。老後、亡くなる前に行われるのが一般的です。

(3)遺品整理

さらに遺品整理は、本人が亡くなった後で主に遺族が行う、相続財産の整理や片付けをいいます。

遺言書などで本人の意思を反映させることはできますが、限界はあります。

 

老前整理と生前整理、遺品整理の最大の違いは、自分のために行うのか遺族のために行うのかという点にあるのです。

「老後」を前にして、自分自身の財産や心情、人生設計や家族との関係を見直すこと。これが老前整理です。

老前整理の具体的内容

老前整理における整理対象には、モノ・ヒト・バショの3つがあります。それぞれに意味も意義も異なるので、順にみていきましょう。

(1)私物・財産の整理(モノ)

第一に、所有物の整理や処分が挙げられます。

高齢となり、足腰や体力が衰えてくると、重いものを片付けるだけでも大変な作業となりますし、何十年も掛けて蓄えられた私物や財産を確認するのは一苦労でしょう。

そこで、まずは私物や財産の目録を作っておくことが大切です。その過程では、「使うもの」に絞って所持するようにするのがポイントとなります。使うかどうかわからないものなら、思い切って処分してしまうくらいの心づもりで構いません。

自分が何を持っているかを確認し、それから整理・処分をしていくという流れが大事です。

(2)人間関係の見直し(ヒト)

第二に、人間関係の見直しも必要となります。これは相続の問題もありますし、葬儀に誰を呼ぶかといった問題とも絡むものです。

家族や親族、友人との関係にも様々なものがあるでしょう。疎遠になっている親戚や、今では年賀状だけのやり取りになっている旧友との人間関係も、改めて見つめることで、老後の過ごし方が変わってきます。

連絡先などをチェックして、いざという時に連絡を取るべき相手をまとめておくことによって、自分にとって大切な人物も再確認できるはずです。

(3)住居について(バショ)

第三に、住居をどうするかという点があります。

もし現在の家が持ち家で、そこに住み続けるのならバリアフリー化も検討することになりますし、病院やお店などが近くにあるところへ引っ越すという選択肢もあります。さらには老人施設・グループホームなどへの入居という可能性もあるでしょう。

バリアフリー化の工事にせよ引っ越しにせよ、老後になってから急に手を付けるというわけにはいかないものです。自分がどこに住み、生活していくかという拠点は大事なので、若いうちから意識しておくことが重要です。

老前整理の方法と注意点

いきなりモノやヒト、バショについて整理すると言われても、なかなか難しいですよね。そこで、老前整理の方法や気をつけたい点を確認しておきましょう。

 (1)スケジューリング

あらゆる整理整頓に共通するのが、スケジューリングの大切さです。部屋単位などに区切って、順に片付けていきましょう。老前整理はあらゆるものが対象となるため、気力と体力が必要となってきます。一気に全てを整理しようとするのではなく、少しずつ進めていくのがポイントです。

(2)財産の分別

私物や財産の整理の際には、要不要を自分の中で分けることが大事です。目の前にあるモノは、誰がいつ、どのように使うのでしょうか?それが具体的にイメージできなければ、自分にとって不要である可能性が高いといえるでしょう。自分に管理しきれる程度の範囲にとどめておくことで、生活もしやすくなります。

また、処分の仕方には「捨てる」「売る」「譲る」という3種類が考えられます。モノを捨てるのにもお金が掛かりますから、売ったり譲ったりという選択肢も検討することで、節約にもなります。

(3)老後の想定

歳を重ねると、若いときに当たり前のようにできていたことができなくなる場合もあります。動けなくなった場合や認知症になった場合への備えも必要となるでしょうし、年金や保険金などの収支を計算しておくのも重要です。

老後の生活について具体的にイメージすることで、高齢になった時の「生きやすさ」を追求していくことが、老前整理には大切なのですね。

まとめ

老前整理は自らの老後のために行うものですが、適切に私物を整理するにはコツが要ります。

予め老後に備えて身辺を整理しておくことで、ライフプランも再確認できますし、結果的に出費が節約できることもあるのです。

老前整理は、今をより良く生きることに繋がります。

自分自身の人生を楽しむためにも、ぜひ取り組んでみてください。