遺品整理

形見分けでトラブルを起こさない手順と方法

形見分けでトラブルを起こさない手順と方法

形見分けとは、遺品整理の一種です。故人の所有物のうち、特に思い出深いものを親族や友人、お世話になった方に贈る習慣です。

しかし形見分けは、正式な相続とは異なり故人の意向が残されていないことが多く、あげてはいけなかったものをあげてしまったり、あげるべきではなかった人にあげてしまったりといったトラブルにつながることもあります。

税金が関係してくることもあります。

形見分けは誰が、いつ、どのように行ったらいいのでしょうか。

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形見分けは「原則」いつ、誰が、どのように行ってもよい

形見分けは原則、誰が、いつ、どのように行ってもかまいませんし、誰に何をあげてもかまいません。

ただ物品を選別せずに無造作に配ったり、亡くなった直後に行ったりすると顰蹙(ひんしゅく)を買いかねません。そのため形見分けは「日本人としての常識」通りに行ったほうがいいでしょう。

形見は「遺品」「相続」「贈与」とどう違うのか

形見と遺品は、なにが違うのでしょうか。形見とは故人が所有していた物品のことで、遺品の一種です。遺品は「故人が遺したものすべて」で、形見は「遺品のうち特に故人を偲ぶことができるもの」という違いがあります。

形見の品は、万年筆や時計、ネックレスなどの宝飾類、コレクション類、趣味で描いた絵画などが対象となります。

また形見分けと相続も似て非なるものです。

相続は、土地や建物、自動車、現金、株券など財産や資産を受け継ぐ行為です。相続を受ける人は財産や資産を手に入れることになり収入がアップするので、相続税を支払わなければならなくなるかもしれません。

一方、形見分けでは、金銭的価値がほとんどないものを受け継ぐことを前提としている場合がほとんどです。

税法上は形見分けと相続は、受け継ぐ金額で明確に分けています。遺族たちが「形見分け」と呼ぼうと、受け継ぐ不動産や物品などの価格が「3,000万円+600万円×法定相続人数」を超えると相続となり相続税を支払い必要があります。

形見は贈与とも似ています。この両者の違いも税に関係してきます。

形見分けという形であろうと、110万円超の現金や物品を譲り受けた人は贈与税を支払わなければなりません。つまり110万円以下の物品を形見分けしてもらった人は、贈与税を支払う必要はありません。

四十九日明けに行うのが無難

形見分けを行うのは、「四十九日(しじゅうくにち)」明けが一般的です。仏教における四十九日とは亡くなった日から49日目のことで、この日に閻魔大王が亡くなった人を極楽浄土に送るかどうか判定を下します。遺族たちが四十九日に法要をあげるのは、よい判定が下るように祈るためなのです。

そして遺族ら「下界の人たち」は、四十九日をもって「忌明け(きあけ)」となります。忌明けとは、故人への冥福の祈りの期間を終える日のことをいいます。

ですので、四十九日の法要が終わった後の食事会などで形見分けを行うのは、理にかなったことなのです。

神式では亡くなった日から50日目や30日目が忌明けに当たるので、その日に形見分けしても問題ありません。

キリスト教では亡くなってから1カ月後に追悼ミサが行われることがあるので、その直後あたりがよいでしょう。

早すぎても遅すぎてもだめ

形見分けを仕切る方や故人が宗教を意識していない場合も、1カ月後や50日後といった節目がいいと思います。

例えば亡くなってから1週間後に形見分けをすると、関係者から「故人の遺品を早く手放したいのかな?」と邪推されかねません。

また遅すぎるのもあまりよくありません。「去る者は日々に疎し」といいます。残念ながら、亡くなった方をいつまで想うことができる方は、そう多くはいません。気持ちが「疎く」なったころに形見を渡してしまうと、違和感を持たれてしまうかもしれません。

形見は、喜んで受け取ってもらうことが何よりの供養になるので、遅すぎない時期に関係者に差し上げてください。

形見分けは誰がどのように行ったらいいのか

形見分けを取り仕切る人は、配偶者でも長男長女でもかまいませんが、実施方法は法定相続人全員で決めたほうがいいでしょう。

法定相続人には順位づけがなされていて、故人からみて、配偶者→子供→孫→ひ孫→父母→祖父母→兄弟姉妹などとなっています。形見分けを取り仕切る人は、形見分けと相続を切り離して考えたほうがいいでしょう。

換金性が高いものは相続のほうに回し、換金しても数万円以下にしかならないものを「形見の品」に指定するのです。そして「相続の品」と「形見の品」にわけることを、法定相続人全員に了承してもらうのです。

形見分けする物品が決まったら、形見分けを取り仕切る人は、法定相続人に「何がほしいのか」を尋ねましょう。アンケートのように、紙に書いてもらってもいいでしょう。

そしてほしい形見の品が被ることがあるので、誰に何を渡すかは、形見分けを取り仕切る人に一任してほしいと全員に尋ねておいたほうがいいでしょう。

また、形見分けは故人の友人や職場の同僚も対象になることがあります。つまり法定相続人以外の人も形見の品をもらうことになるので、形見分けを取り仕切る人は、法定相続人に「誰に何をあげるのか」を報告しておきましょう。

ここまで段取りすれば、もめることはないでしょう。

誰に形見を渡したらいいのか

形見分けを取り仕切る人は、故人の意向をよく知っているため、「この品は故人が生前にお世話になったあの人に受け取ってもらいたい」と考えるでしょう。そのとき気をつけてほしいのは、指名した人がその物品を迷惑に感じる可能性があるということです。

そこで形見分けを取り仕切る人は、対象者に「できればこの品をもらっていただきたいのですが、無理に受け取らなくていいのですよ」と一言添えてみてはいかがでしょうか。

特に衣類や日用品、購入時の価格が安いものは配慮が必要です。

また購入時の価格が高いものでも、時計や宝飾品は肌につけるものなので、受け取ることを好まない人もいます。

形見分けのトラブル

形見分けの品と相続の品を明確に分けないと、思わぬトラブルが生じます。特に相続順位が低い割に故人と親密だった法定相続人に対しては、形見の品で配慮しないと不満が募るでしょう。その人が「故人が私に〇〇をくれると言っていた」などと言い始めると、関係者全員が嫌な思いをすることになります。

形見分けのトラブルを回避するには、相続の内容が薄い人に形見分けを手厚くすることも手段の一つです。

 

形見分けの物品が要らない場合はどうしたらいいのか

ここまで、形見分けを「する側」の問題点をみてきましたが、最後に形見を「もらう側」のことを考えてみましょう。

故人とそれほど親しくなかったのに、形見分けの品を受け取ることになり、しかもその物品が「要らないもの」だったらどうしたらいいでしょうか。

方法は次の2つがあります。

・丁重にお断りする

・とりあえず受け取るがこっそり処分する

形見の品の受け取りを拒否すると、形見分けを取り仕切る人が「故人と仲がいいとばかり思っていたけど、そうではなかったのか」とショックを受ける可能性があります。拒否する人はそれを避けるために「これほど故人の思いがこもった品物を私ごときがもらうことはできません。ご遺族のなかに相応しい人がいると思うので、その方にお渡しください」と言ってみてはいかがでしょうか。

そして、とりあえず形見を受け取って処分する選択は、できれば回避したいところです。しかし断る理由がみつからず、また自宅で保管することができない物品を受け取ってしまったら、こっそり処分するのは致し方ないところです。

ただその場合でも、寺によっては物品から「故人の魂」を抜き取る供養をしてくれるところがあるので、利用してみてください。また遺品整理業者に物品を委託すれば、供養と処分を合わせて行ってくれるでしょう。

~まとめ~

遺品整理のなかでも形見分けは心の要素が濃いため、相続とは異なる難しさがあります。

ただ「故人だったらどうするだろうか」ということを関係者全員で考えれば、自ずとどの物品を誰に渡すのが適当なのか、がみえてくるでしょう。

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